MWA最優秀長編賞を受賞した本書を三文小説とはいわないが、開高健のいうことはうなずける。
本当にアメリカはスポーツ狂の国だ。三大スポーツのひとつで動く金が他の国の国家予算より大きいぐらいだから当たり前ともいえる。
これを読む前に町山智浩の「USAスポーツ狂想曲 アメリカは今日もステロイドを打つ」という面白いコラム集を読んでいたのだが、これがいくらか助けになった。もしこの本を読んでなかったら、この小説の舞台であるアメフト至上主義の町の状態はあまりにも荒唐無稽だから、作者が面白がって考え出した現実ばなれした架空の町としか思えなかっただろう。そう思ってしまうと胡散臭いSFでも読まされているような気になり、馬鹿らしくて途中で投げ出していたかもしれない。
解説にもあるように映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」で薄められていたという、体育会系の生徒(ジョックス)VSその他の学生(ガリ勉、オタクなど)との確執について問題を喚起している点でよい小説ともいえる。
前述した「USAスポーツ狂想曲 アメリカは今日もステロイドを打つ」は現代アメリカを紹介するノンフィクションとしても出色で、下手な小説よりも泣けてしまうようなお話がいくつも入っているからおすすめである。
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